髪と頭皮によいと密かなブームになっている“湯シャン”
抜け毛や薄毛にも効果があるという説もありますが、本当でしょうか?
今回は湯シャンのメリット・デメリット、毛髪効果について解説したいと思います。
湯シャンとは?
湯シャンはシャンプーなどの洗浄剤を使わずに、お湯のみで洗う洗髪方法です。
頭皮の皮脂を適度に残すことができるので、頭皮が本来もつバリア機能を取り戻すことができるといわれています。
ネットでの口コミでは「髪に艶がでた」「匂いが改善された」という声のほか、
「薄毛や抜け毛が軽減された」という報告も。
最近では芸能人や俳優が湯シャン派を公言したこともあり、密かなブームとなっているようです。
薄毛や抜け毛に効果はあるの?
「皮脂」は皮膚に油膜を張り、摩擦などの外部刺激から頭皮や髪を守る役割をもちます。そのため、毛髪の健康には欠かせない存在です。
ですが、市販のシャンプーのなかには頭皮をすっきりと洗える分、洗浄力が強く皮脂をとりすぎてしまう製品も。
場合によっては頭皮や髪へ刺激を与えてしまうこともあり、製品選びには慎重にならねばなりません。
湯シャンのメリットはシャンプーを使用しないことで、そういった皮脂のとりすぎやシャンプーそのものによる刺激を防げることです。
頭皮の皮脂を適度に保てるので、フケかゆみなどの頭皮トラブルなどを防止できるといわれ、頭皮環境の正常化が毛母細胞の活性化へとつながるため、抜け毛・薄毛効果も目指せるとさせると考えられています。
ただ、実際に口コミなどを調べてみると、髪や頭皮によい影響があったという声以外に、「抜け毛が増えた」「頭皮が荒れた」という声もちらほら……。
頭皮も肌と同じく脂性肌や乾燥肌が存在します。
また環境や生活習慣、体調によっても肌のコンディションは変化しますので、そういった個人差が頭皮へのトラブルにつながっているのではないでしょうか。
また、女性の薄毛の原因は皮脂の分泌量だけにとどまりません。
ホルモンバランスや生活習慣、ヘアケアの方法などさまざまな要因がからみあうため、すでに抜け毛などの悩みを抱えている場合、湯シャンだけでは改善することは難しいのです。
少なくとも女性の薄毛・抜け毛については湯シャンの効果は微妙といわざるをえません。
湯シャンは現代人の頭皮には合わない?
湯シャンがふつうだった江戸時代後期は、動物性タンパク質をほとんど摂取しない食生活を送っていました。
献立は味噌汁、漬物、煮干しなどが一般的。味付けも今に比べて薄かったようです。
それに比べて、現代人は濃い味付けの食事や脂質の多い食事を好む傾向にあります。
脂っこい、味の濃い食べ物は皮脂の分泌を盛んにします。便利なインスタント食品やお菓子なども同じです。
皮脂の分泌量は過度のストレスや睡眠不足などでも増えるため、とんどの現代人は昔のひとよりも皮脂の分泌量が多くなっている推測できます。
さらに、現代はヘアワックス、クリームなどの整髪剤を使用することが多いため、お湯だけで頭皮をきれいにことは難しくなってきます。
汚れをすっかり落とそうとすると、脂の溶解条件である42度前後のお湯で流す必要があり、結果的に頭皮の乾燥をまねくため湯シャンの意味がなくなってしまいます。
もちろん、整髪剤を使用せず、皮脂が過剰分泌するような食事を避けて和食中心のバランスの良い食事を心がけていれば湯シャンだけでも十分に汚れは落とせるかもしれません。
ですが、食生活や習慣をすべて改善するのは難しいと思います。
多忙な現代人のライフスタイルを考えると、湯シャンは合わないケースが多いのではないでしょうか。
「湯シャン」が向いているひと、合わないひと
抜け毛や薄毛などの頭皮トラブルを避けるためにも、湯シャンをはじめる前は自分に合った方法がどうかきちんと見極めることが大切です。
ここからは湯シャンのメリット・デメリットをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「湯シャンに向いているひと」
・長期間、ひとに合わない機会がある
・年齢を重ねている
・シャンプーによる頭皮の刺激に悩んでいる
湯シャンをスタートさせてすぐは、やはり頭皮のベタつきや匂いが気になるという声が多いようです。
そのため、ひとの目が気に入らない環境にいる、長期間ひとに合わない期間がある場合ならば実践しやすいはず。
また、皮脂の分泌量は加齢により少なくなってきますので、若いひとよりは年齢を重ねた人のひとが湯シャンに適しているといえるでしょう。
湯シャンはシャンプーそのものの刺激を防ぐことができます。
アトピーなど皮膚トラブルを抱えている方は、一時的に湯シャンを取り入れることにより頭皮の炎症を穏和できる可能性も。
ただし、個人差や肌のコンディションにもよるため、実際に挑戦する際は自己判断せず必ず医師に相談しましょう。
「湯シャンに向かないひと」
・カラーリングパーマをしている
・薄毛抜け毛に悩んでいる
・ロングヘア
・整髪剤をよく使用する
湯シャンはシャンプーのように皮脂をきれいに取り去ることが難しく、どうしても髪に油分が残ってしまいます。
また、髪に重みがでてしまうのでパーマのようなふんわりとしたヘアスタイルにはあまり向きません。
また、ワックスやヘアクリームなどの整髪剤を使用すると、湯シャンだけで落とすことは難しくなります。
特にロングヘアの方は髪や頭皮に汚れが蓄積しやすくなりますので、きちんとシャンプーで洗い流すことをおすすめします。
湯シャンを上手にはじめるコツは?
湯シャンは髪の状態や髪質、肌質によってメリット・デメリットが生じます。
チャレンジする場合は湯シャンの頻度を2日おきにするなど、段階を踏み徐々切り替えるのがおすすめです。
かゆみはないか?抜け毛は増えていないかなど、様子を見て自分に合っているか慎重に見極めましょう。
ただ、夏場はどうしても汗や皮脂の量が多くなってしまいます。
その場合は頭皮を清潔に保つためにも、シャンプーなどを使ってしっかり洗浄することをおすすめします。
薄毛・抜け毛対策なら育毛シャンプーや育毛剤も
湯シャンは手軽で実践しやすいですが、頭皮の状態や体質によってはトラブルのリスクも高く、薄毛を進行させてしまう可能性があります。
また、すでに抜け毛や薄毛などのトラブルを抱えている場合、湯シャンだけではそのトラブルを食い止めることはできません。
本気で抜け毛や薄毛をよくしたいのであれば、やさしい洗浄力と保湿作用を兼ね備えた「育毛シャンプー」か「女性用育毛剤」の使用がおすすめです。
育毛シャンプーはデリケートな女性の頭皮を考えて開発されており、副作用を心配する必要もありません。洗髪するだけで無理なく頭皮環境の正常化が目指せます。
また、育毛シャンプーは早いうちから使用すれば将来の抜け毛の予防対策にもなります。
メーカーによってはお得な価格で育毛剤とセット購入できる商品もありますので、「薄毛を改善したい」「抜け毛を予防したい」という方はぜひチェックしてみてください!
まとめ
湯シャンの効果は個人差がある
髪に良いといわれている「湯シャン」
確かに、頭皮のコンディションによっては、良い状態へ向かうこともあります。
ただ、効果には個人差がありますし、抜け毛や薄毛に効果があるといったら微妙なところです。
髪質や頭皮の状況によってはかゆみや炎症などの原因になる場合もあります。
湯シャンを実践する際は、シャンプーから徐々に湯シャン切り替えるなどの工夫を。
また、抜け毛・薄毛への効果を望むのなら、育毛シャンプーや女性用育毛剤の使用がおすすめです。
洗浄力・保湿力ともに優れた育毛シャンプーで無理なく頭皮環境の改善を目指しましょう。
洗髪は毎日行うもの、頭皮の状況に適した方法を見極めることで、将来の抜け毛予防にもなります。記事を参考に自分にとって最適な方法をみつけてくださいね。