女性に発症しやすいといわれる牽引性(けんいんせい)脱毛症。
最近、「額が広くなってきた」「抜け毛が増えたな」どの症状はありませんか?じつは普段行っている何気ない習慣が抜け毛を引き起こしている場合も……。
今回は、牽引性脱毛症がおこる原因と対策方法をご紹介します!
牽引性脱毛症とは?
髪をきつく結んだり、強く引っ張ったりを長年続けると、頭皮の決まった部分に負荷がかかり髪が抜けやすくなります。
頭皮が緊張し血行が悪くなることで、毛髪の成長に必要な栄養が届かなくなり、髪が細くなり弱くなるしくみです。
髪がじょじょに後退して薄毛になるのが特徴ですが、ヘアスタイルによっては両端の耳の上の生え際も薄くなる場合もあります。
若い人の薄毛にも多い牽引性脱毛症
牽引性脱毛症は老化や女性ホルモンのアンバランスというよりも、ヘアスタイルによるダメージが主な原因なので、比較的に若い女性にも多い傾向があります。
牽引性脱毛症は適切な対処をとれば回復する見込みのある脱毛症ですが、髪を引っ張るのを続けていると、毛根の細胞にまでダメージが加わって髪が生えてこなくなることも……。
期間は毛根の再生力や強さ、引っ張る期間、頻度などによっても変わりますが、早いと5~6年、遅ければ10~20年で脱毛してしまうので早めの対策が必要です。
牽引性脱毛症はある程度時間が経過してから発症するため、抜け毛に気がつきにくく、気がついたら額が広くなっていた!なんてことも。
髪が細くなってきたなと思ったら要注意です。
牽引性脱毛症になるのはポニーテールだけじゃない!
「ポニーテールをやり過ぎると薄毛になる」というのは昔からよく聞きますが、実は牽引性脱毛症をおこすのはポニーテール以外にもあります。
どんなことがNGになるのか、牽引性脱毛症を引き起こす原因をみていきましょう!
ポニーテール
高い位置で髪を結ぶと、重力と引っ張る力で結び目部分に大きな負荷がかかります。髪を後方に引っ張ることで額の生え際だけでなく、耳の後ろの生え際も薄くなります。
エクステ
もとから生えている髪に人毛や合成繊維でできた毛束をつける方法。手軽にエアチェンジできるので若い女性に人気があります。
ただ長期間、頭皮に負荷がかかるため毛根がダメージを受けやすく、脱毛が広範囲にわたります。
ヘアアイロン
ヘアアレンジには必須のヘアアイロンですが、使う頻度や使い方によっては与え抜け毛の原因となることも。
髪を強く引っ張り続けることで長い髪や太い髪が抜け、頭皮全体が薄くなります。
ヘアアイロンの熱でキューティクルがはがれおちるため、毛髪もダメージを受け、切れ毛や枝毛も増えがちです。
いつも同じ分け目にしている
長期間同じ場所で髪を分けることにより、髪の隙間が開いて地肌が透けてみえるようになってしまいます。
髪をまとめる習慣がなくても、ロングヘアーでいつも同じ分け目にしているというひと分け目が目立ちやすい傾向にあります。
帽子
小さめサイズの帽子を長期間被り続けることで血行不良をおこし、頭皮に栄養が行き渡りにくくなります。それにより細く弱い髪の毛が増え、頭皮全体が薄くなります。
牽引性脱毛症の対策
牽引性脱毛症は頭皮の血行不良が主な原因。初期段階であれば髪を引っ張るのをやめることで改善する見込みがあります。
まずは抜け毛の原因を取りのぞくこと!次に血流を高めて毛根へ栄養を届けてあげましょう。ここからは血行不良を改善・防止するコツと栄養補給に効果的なケアを紹介します。
ヘアスタイルを変える
ポニーテールは頭皮へのダメージが大きいため長期間行わないことが一番ですが、どうしても仕事で結ばなければいけないこともありますよね。
そういった場合は結び目の位置を少しずつ変えて、頭皮の負荷を軽くしてあげましょう。
結び目を普通のゴムで縛ってしまうと引く力が強くなってしまいますので、できればシュシュなどでふんわり結ぶようにすると良いでしょう。
シュシュは簡単なのにぱっと華やかな印象になりますし、素材やカラーも豊富。手軽なおしゃれとしてもおすすめです。
分け目を変える
頭皮の分け目を変えること引っ張る力を分散し抜け毛・薄毛を防ぐことができます。
またトップ分け目を変えることで根元がふんわり立ち上がり、トップにボリュームが出やすくなるとうメリットも。
前髪がある人は頭頂部の分け目に合わせて、前髪の分け目も変えましょう。それだけでも印象もがらっと変わるので、ちょっとしたイメージチェンジになります。
短くカットする
思い切ってボブやショートカットなどの短いスタイルに変えるというのも手。
特にボブスタイルはカットの仕方によってはロングよりもボリュームが出やすく、洋服にも合わせやすいのでおすすめです。
ヘアアイロンの頻度を調整する
ヘアアイロンを長期間使用すると牽引性脱毛症だけでなく毛髪自体にもダメージを与えてしまいます。
美しく健康な髪を保つためには毎日のヘアアイロンは避け、頭皮と髪に休息日を設けてあげるのがポイントです。
ツボ押し
血流を高めるツボとして百会(ひゃくえ)があります。
頭頂部の最も高い所より少し後ろの部分を、両手の中指で頭を抑え込むようにして押しましょう。力を入れすぎず、気持ちいいぐらいの加減で押すのがコツ。
頭皮マッサージ
頭頂部から生え際にかけて、指の腹でやさしく包み込むようにほぐしましょう。
指をはじいて軽く刺激を与えてもいいですね。ただ、指に力を入れすぎると肌に傷がつきやすくなるので力を入れすぎないよう注意しましょう。
摩擦を防ぐためにも、必ず育毛剤やローションなでで髪を保護してから行いましょう。
ツボ押しと頭皮マッサージを組み合わせることで、効率よく血流を高めることができ、育毛剤の効果もより発揮することができます。
育毛剤を使用する
頭皮の血流改善、栄養補給には育毛剤の使用がおすすめです。
頭皮マッサージやツボ押しの際に使用すれば、頭皮の血行促進、保湿、栄養補給がいっぺんにできちゃいます!
ただ、育毛剤の成分によっては頭皮への刺激になってしまう場合もありますので、頭皮にやさしい成分が配合された育毛剤を選びましょう。
植物性の成分でつくられた女性用育毛剤なら、頭皮に刺激を与えずケアできるので安心です。
おすすめの女性用育毛剤はどれ?
私が実際に試した5本の女性用育毛剤の特徴やおすすめポイント、使用感などをまとめた記事を書きましたので、女性用育毛剤を試してみたい方はまずこの記事をチェックしてください!
植毛について
牽引性脱毛症は引っ張るのをやめ適切なケアを行えば、1~2年ほどで回復するといわれていますが、牽引を続けたことにより毛根が休止状態になってしまった場合、髪の毛が生えてこなくなってしまうケースもあります。
もちろん治療は根気よく続けることが大切ですが、どうしても治らない場合は植毛という方法もあります。
植毛は地肌に人毛や化学繊維でつくられた毛束を植え付ける方法です。
数本ずつ毛束を植えつけるので見た目が自然ですし、生え際や部分的な薄毛にも対応できます。植毛には人毛と自毛の2タイプがあるのでここで、簡単にご説明します。
人毛による植毛
化学繊維でつくられた毛束を地肌へ植え付ける方法。自毛よりも施術が早く、
自然なボリュームアップが可能です。
ただし、からだの防御反応により1~2年ほどで抜けてくるため、毛髪の追加などといった定期的なメンテナンスが必要。
自毛による植毛
元々生えている髪の毛を採取し、薄毛の部分に植え付ける方法。
自分の髪なのでより自然に仕上がります。しかも、他の髪と一緒に伸びていくのでお直ししなくて大丈夫です。
ただし、自毛を植え替えるので頭皮全体の毛量は増えません。
植毛はそれぞれにメリット・デメリットがあるので、目的にあった方法を選ぶことが大切です。また、植毛自体が高度な技術を要するものなので、病院選びは慎重になる必要があります。
費用は病院ごとに異なりますが、だいたい20万円~100万ほど。保険適用外なのでどうしても費用は高めになります。
費用は植える本数や範囲にもよっても変わりますが牽引性脱毛症の場合、脱毛が広範囲に及ぶ傾向があるので少し多めに見積もっておいた方がいいかもしれません。
植毛はまず、頭皮マッサージや育毛剤などの治療を試して、どうしても生えなかった場合の最終手段として考えておくといいかもしれませんね。
まとめ
頭皮をいたわる育毛ケアを習慣づけよう
牽引性脱毛症はとにかく頭皮をいたわることが大事。
髪はゆったり結ぶ、休みの日は髪を降ろすなど毛根の負担を軽くしてあげましょう。
マッサージや育毛剤で頭皮の血行促進、栄養補給をはかることでヘアサイクルが整い、抜け毛を改善・予防することができます。
へアアレンジは最高のファッションポイント!髪型の工夫も薄毛を隠すためでなく、オシャレとして楽しむと気持ちも明るくなりますよ。