白髪や抜け毛など、女性の髪にまつわる悩みはさまざま。
加齢とともに感じやすいのが「髪が細くなった」「うねりがでてきた」「短い毛が抜ける」などといった髪質の変化です。
これらの症状は放っておいても治りません。
とくに短い毛が抜ける場合は、薄毛が進行している可能性があるため早めの対処が必要です。
今回は、短い毛が抜けるときの原因と対策方法を紹介します!
短い毛はヘアサイクルの乱れが原因!
髪は1本1本がヘアサイクルという周期をもって生え変わっています。季節や体質などでも変わりますが、一日の抜け毛は50~100程度。
髪が抜けてもすぐに新しい髪がつくられるため、ハゲてしまうことはありません。
>>女性の抜け毛「一日何本」までならOK? 薄毛の危険度チェック!
しかし、年を重ねるとからだの細胞の働きは低下します。
毛母細胞の働きも鈍るため髪質の変化が起こりやすい傾向に。髪が成長段階で抜けるため、短い毛や抜け毛が多くなります。
またヘアサイクルは生活習慣やホルモンバランスの影響を強く受けるため、若いひとでも髪質に変化が現れることがあります。
毛根の状態をチェックしてみよう
薄毛が気になった場合、まずチェックしてほしいのが毛根の状態。毛母細胞の働きが低下してくると脱毛根の形状が変わってきます。
毛根に異常がないか、抜け毛の状態を観察してみましょう!
健康な髪
健康な女性の髪は通常、約4~6年かけて成長しています。
自然なヘアサイクルにもとづいて抜けた髪は、太くしっかりとしているのが特徴です。
毛先に行くほど細く白くなり、マッチ棒のような自然な膨らみがあります。
短い毛が抜ける
毛根部分が無く、根本側が繊維状にバラバラになって切れている状態。
頭皮表面から1~2mmくらい上のところから毛が切れてしまい、そこで成長がストップしています。
「円形脱毛症」や、加齢を主な原因とする「びまん性脱毛症」などに多くみられる抜け毛です。
>>女性のびまん性脱毛症の原因とは?予防・改善方法を徹底追及!
毛根が尖って細い
まったく膨らみがなく、根元に向かって細く針のように尖った抜け毛。太くて強い髪へ成長段階の髪が抜けてしまっています。
考えらえる要因はストレス・ホルモンバランスの崩れ・血行不良や栄養不足などです。
毛根に白い付着物がある
毛根部下端に髪と頭皮をつなげている毛根鞘(こんしょう)が付着した抜け毛。
フケなど頭皮の異常やホルモンのバランスの崩れ・栄養不足・血行不良などが原因。
皮脂の過剰分泌が原因の「脂漏性脱毛根」と、乾燥が原因の「ひこう性脱毛根」の2タイプに分かれます。
短い毛・細い毛は要注意!
太くしっかりした毛が抜けている場合は心配ありません。
フケなどの付着物がある毛は頭皮環境の異常が原因なので、頭皮の状態を整えることで改善できます。
しかし、細く短い毛が多い場合は要注意!ヘアサイクルが短縮している可能性が考えられます。
髪はヘアサイクルの周期に沿って成長と脱毛を繰り返すため、抜け毛や髪質の変化が現れるには3~6か月のタイムラグがあります。
そのため、気が短い毛の存在に気が付いたときには、すでに薄毛が進行している場合も。
そのままびまん性脱毛症や、FAGA(女性男性型脱毛症)などへ移行するケースもあるため早めの対処が必要です。
ヘアサイクルが乱れる原因
では、どんなときにヘアサイクルが乱れやすいのでしょうか?考えられる要因を、詳しくみていきましょう。
出産によるホルモンバランスの崩れ
妊娠により一時的にホルモンバランスが崩れることで抜け毛が増加。
髪の成長を助けるエストロゲン(女性ホルモン)が減少することで、髪の成長が不十分な状態に。成長途中の短い毛が抜けやすくなります。
数か月で回復しますが、不規則な生活習慣や過度のストレスが続いているとホルモンバランスが戻りにくくなり、抜け毛が長引いてしまう場合も。
>>産後56%の女性が抜け毛・薄毛に悩み!?分娩後脱毛症の原因と対策
加齢によるホルモンバランスの崩れ
エストロゲンは20代をピークに急激に現象します。そのため、20~30代で髪質の変化や抜け毛が多くなる傾向に。
そこへ栄養不足や不規則な生活習慣などといった要因が重なることで、さらに抜け毛が起きやすくなります。
栄養不足
髪は体外から摂取する栄養を材料につくられています。
髪を生成する毛母細胞はからだの中でもトップクラスで分裂・増殖が盛んな細胞です。
そのためたくさんの栄養素や酸素を必要とします。
髪のための栄養素が不足すると、毛母細胞の働きが悪くなり髪が十分に育ちません。
とくに女性はタンパク質やミネラル、亜鉛など髪に必須の栄養が不足しやすい傾向に。
慢性的な栄養不足により短い毛が抜ける、細くなるといったトラブルを引き起こしがちです。
過度の飲酒・喫煙
タバコに含まれるニコチンには血流を悪くする作用があります。
毛母細胞への栄養は血液とともに運ばれるため、血巡りが悪いと栄養が十分に行き渡りません。
また、アルコール分解にはケラチンを合成する際のサポートに必要な亜鉛を使用します。
お酒をたくさん飲むと、そのぶん亜鉛の消費も多くなるため気をつけましょう。
血行不良
肩こり・首コリ・眼精疲労・運動不足・冷え性・ストレスは血行不良の原因に。
とくに女性は男性よりも筋肉量が少ないため、血流が悪くなりがちです。
手足の先や二の腕の裏、首筋がひんやりしている人は血流が悪くなっているサイン!
頭皮への栄養が届きにくなり、短い毛が発生しやすくなります。
ストレス
ストレスを感じると交感神経が優位になり血管が収縮し、その状態が続くと血行が悪くなります。
頭皮も緊張で硬くなるため毛が生えづらく、成長しづらい状態に。
>>女性のストレスからくる薄毛の原因とは?抜け毛のメカニズムと対策まとめ!
睡眠不足
夜22時~午前2時の間は髪の成長や修復が活発に行われる時間です。髪は寝ている間に育つため睡眠不足だと成長が妨げられてしまいます。
肌をつくるターンオーバーも乱れるため、頭皮環境も悪化しがちに。
ストレスや疲労も蓄積されやすくなり、自律神経やホルモンバランスの崩れへとつながります。
短い毛が抜ける場合の対策方法
毛母細胞へ栄養や酸素を十分に届けるには、血液の材料になるバランスのよい食事が必須!
生活習慣の改善や日ごろのケアが大切です。
ここからは、抜け毛や髪質変化の予防・改善につながるお手入れ方法を紹介します!
髪によい栄養素を摂る
健康な髪の成長にはミネラル・ビタミン・カルシウム・亜鉛が必須。
とくに女性は鉄分や亜鉛、タンパク質を含む食品が不足しがちなのでしっかりとることを意識してください。
ホルモンバランスの崩れが気になるときは、女性ホルモンと似た働きのある大豆イソフラボンを含む大豆製品などを積極的に摂取しましょう。
栄養素はできるだけ食事から摂取するのが理想ですが、忙しいとなかなか難しいもの。
そんなときはサプリをうまく活用し、足りない栄養素を補うのもひとつの方法です。
>>女性の薄毛に育毛サプリは効果があるの?気になるポイント徹底検証!
>>女性ホルモンの分泌量と毛髪の関係とは?抜け毛・薄毛のメカニズムを解説!
運動・マッサージで血行促進!
血行不良はヘアサイクルの乱れのもと。
女性に多い冷え解消のためにも、日常生活の中で少しずつ運動し血巡りをよくしましょう。
運動はウォーキングなどの有酸素運動がおすすめ。
難しいときは通勤時に一駅分歩いたり、エレベーターを階段に変えたりするだけでも効果があります。
首回りは心臓から頭に血液を送る大切な通り道!首や肩のコリが気になるひとは、マッサージでこまめにほぐしてあげましょう。
リンパが集中する首回りを、円をかくようにほぐすことで血液の流れをよくします。
マッサージは一日5分程度が目安です。
ストレスの発散を心がける
ストレスフリーの生活が理想ですが、なかなか難しいもの。
そんなときは「睡眠時間を6時間以上確保する」「気晴らしに友人と会う」「運動で汗をかく」などして少しずつ解消していきましょう。
手芸など没頭できる趣味をもつのもおすすめです。
また、ビタミンCにはストレスホルモンの一種であるコレチゾールを低下させる効果があります。
ターンオーバーに関わるコラーゲンの生成を助ける栄養素でもあるので、積極的に摂取しましょう!
育毛剤で頭皮マッサージ
どんなに栄養バランスのよい食事をとっても、栄養を運ぶ血液の流れが悪ければ意味がありません。
末端にある頭頂部はとくに栄養がとどきにくいため、頭皮マッサージで血行を促してあげましょう。
マッサージの際は頭皮の状況にあった育毛剤を使用するのがおすすめです。
育毛剤は頭皮を傷つきにくくするほか、血液循環をよくして栄養を行き渡らせ毛乳頭の働きを高める働きも。
短い毛が抜ける場合は、毛母細胞が活性化する有効成分やホルモンバランスをサポートする成分が配合された製品がおすすめです。
肌への刺激を防ぐため、植物由来の成分でつくられた無添加製品を選ぶのもポイント
>>女性用育毛剤おすすめランキング!~私が試した5本をバッサリ評価~
育毛シャンプーを使用する
毎日のシャンプーで手軽に育毛ケアするのもおすすめです。
頭皮環境の改善を目的とした育毛シャンプーは、短い毛の予防に適しています。
とくに年齢を重ねた女性は皮脂量が少なく、市販のシャンプーだと成分が強く乾燥しがちです。
保湿力に優れた育毛シャンプーを使用し、揺らぎやすい頭皮環境を健やかに保ちしましょう。
>>【2018年決定版!】女性用の育毛シャンプーおすすめランキング
短い毛・抜け毛の増加が改善されないときは病院へ
抜け毛や短い毛がおさまらない場合は、病気が潜んでいる可能性も考えらえます。深刻化しないうちに早めに対処しましょう。
また、抜け毛の増加は大きなストレスになります。不安感が強い場合は病院へ行くこともひとつの方法です。
薄毛の治療は皮膚科でも可能ですが、育毛を目指すのならAGA専門のクリニックがおすすめ。最近は女性専用の薄毛外来も増えてきています。
ホルモンバランスの崩れが気になるときは産婦人科での治療が必要です。
薄毛や髪質変化の予防には、メンタルケアも重要なポイント。
話を聞いてもらえるだけでもだいぶ違うので、ムリをせず相談してみましょう。
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まとめ
短い毛など髪質の変化を予防するには下記の2つがポイント!
・日頃からヘアサイクルを崩さない生活を送る
・状況に合ったヘアケア製品を使う
ムリのない範囲で食事や生活習慣の改善を行い、太く丈夫な髪の育成を目指しましょう!