火傷の治療薬や保湿剤として古くから親しまれる馬油(ソンバーユ)
じつは「育毛にも効果がある」といわれているのをご存知ですか?
今回は馬油のもつ頭皮への効果と、効果的な使い方について紹介します!
ソンバーユ(馬油)とは?
「馬油」とはその馬の油をもとにつくられたスキンケア製品です。
人間の皮脂に近い性質をもっているので肌への浸透力は抜群!古くから火傷の特効薬として親しまれてきました。
「抗酸化・抗菌・抗炎症・保湿・血液循環の促進」作用を持っており、近年は女性のスキンケア用品としても注目が集まっています。
馬油製品は各メーカーから出されていますが、最も有名なのが薬師堂から販売されている「ソンバーユ」ではないでしょうか?
ソンバーユは2年の熟成・不純物の除去などなどの精製工程を経てつくられた、純度100%の馬油。
油脂独特の臭いを除去、心地よい使い心地を実現し、昭和63年に馬油のスキンケア化粧品として日本ではじめて厚生省から許可されました。
体づくりに欠かせない“必須脂肪酸”を含んでいる
馬油は高度不飽和脂肪酸を多く含む油脂です。高度不飽和脂肪酸とは油に含まれる栄養素のことです。
油脂は動物性と植物性に分類されますが、一般的に動物性油脂には「飽和脂肪酸」、植物性油脂には「不飽和脂肪酸」が多く含まれます。
簡単に説明すると、飽和脂肪酸はコレステロールの蓄積作用をもつ脂肪酸、不飽和脂肪酸はコレステロールの沈着の防止作用をもつ脂肪酸です。
どちらも体に必要な栄養素ですが、飽和脂肪酸を大量に取りすぎると生活習慣病などのリスクが高まるといわれています。
馬油は多くの不飽和脂肪酸を含んでいる
馬油は動物性油脂ですが、ラードなどほかの動物性の油脂に比べて多くの不飽和脂肪酸を含むのが特徴です。
しかも含まれるのは不飽和脂肪酸の中でも質が高い「高度不飽和脂肪酸」
高度不飽和脂肪酸が含む「リノレン酸」には、血流改善・血栓予防・アレルギー抑制作用があります。
不足すると脳や神経に異常があらわれるといわれていますが、人間の体内ではつくることができず食品から摂取が不可欠です。
健康な体づくりに欠かせない“必須脂肪酸”と呼ばれています。
馬油がもつ頭皮・髪への効果
馬油に含まれる不飽和脂肪酸は体内でだけでなく、肌や髪への効果も期待できる成分です。毛髪に与えた場合にどのような作用を発揮するのか、具体的にみていきましょう!
皮下組織に直接アプローチし血流を高める
馬油が含む不飽和脂肪酸は人間の皮脂に構造がよく似ているため、皮膚のより深いところまで浸透することが可能です。
わずかな成分が皮下組織の毛細血管から吸収し、直接作用し血液循環を促進。
毛根への栄養供給をスムーズにし、馬油の高い栄養価で髪に艶を与えます。
油膜の力で皮膚を細菌から守る
馬油によって皮膚に薄い膜がつくり細菌が皮膚に入りこむのをガードし、細菌による頭皮の炎症から皮膚を守ります。
さらにすでに皮膚に入り込んでしまっている細菌も油膜で封じ込め繁殖を抑制。
油膜の力で健康な頭皮環境を保ちます。
適度な油分で頭皮の保湿力を高める
頭皮はほかの皮膚に比べ保湿力が弱く、バリア機能も低下しがち。
とくに30代をすぎると、頭皮の皮脂の分泌量が少なくなり乾燥しやすくなります。
頭皮が乾燥すると新陳代謝が正常に行われなくなり、フケやかゆみなどのトラブルのもとに。悪化すると直りにくくなるうえ、抜け毛へとつながる可能性もあるのでたかが乾燥とあなどれません。
馬油は足りない皮脂の変わりとして角質層になじみ、油分と水分のバランスをキープし、頭皮の保湿力を高めます。
馬油は頭皮の乾燥対策におすすめ!
肌への優れた効果をもつ馬油ですが、育毛成分は入っていません。
その為、残念ながら馬油を塗ったからと言って髪が育つというわけではありません。
ただ馬油の効果として期待できる「保湿」「炎症を抑える」「抗菌」「血行促進」作用は頭皮の健康に欠かせない要素。
「健康な頭皮の維持」や「乾燥による抜け毛の防止」という面では最適なアイテム。
とくに下記のような頭皮の悩みを持つひとにおすすめです。
- 髪の艶不足やパサつきが気になる
- 乾燥によるフケや・かゆみに悩んでいる
- 冷え、血行不良が気になる
- 刺激に弱く添加物などに過敏
精製により純度を高めた馬油は、添加物も入っておらず副作用の心配がありません。
肌への刺激も少ないので敏感肌のひとでも安心して使用できます。
全身に使用できるタイプであれば、ヘアケアの後はそのまま手になじませてハンドケアに。ついでにボディの乾燥ケアもできるので、冬や年齢ならでは乾燥対策にぴったり。
髪のパサつきや切れ毛のケアにも最適です。
馬油(ソンバーユ)の効果的な使い方
馬油は使い方を間違えると、べたついてしまうことも。そこで、ここからは「馬油の正しい使い方」について紹介します!
「基本の使い方」
- 馬油を少し多めにとり洗髪前の頭皮にすりこむ
- そのまま20分ほど置き、余分な油分を洗い流して完了
馬油が皮膚の深くまで浸透し潤い成分だけを残します。
頭皮の乾燥が気になるときは
- 洗髪後、タオルで髪を乾かす
- 手のひら全体に馬油を薄く伸ばし、髪全体に伸ばしてブラッシングする
- ドライヤーで乾燥して完了
馬油がパサついた頭皮や髪に油分を与え保湿します。乾燥によるフケ・かゆみがあるときに役立つお手入れです。
髪のパサつき対策にも
毛先のパサつきが気になるときは、馬油をヘアオイルとして使う方法もおすすめ。
乾いた髪の毛先に少量の馬油をしみこませればOKです。
馬油(ソンバーユ)の選び方と使用上の注意点
ソンバーユには普通(全身)タイプ・液状タイプ・毛髪用タイプがあります。
普通タイプは若干べたつきが強めですが、髪になじませてしばらく放置するとサラサラになります。
時間がないひとやべたつきが苦手なひとは「液状タイプ」か「毛髪用」を選ぶといいでしょう。
女性が好むバニラやローズの香りを加えたものや、チューブタイプもあるので髪質・好みで使い分けてみてください。
馬油はさまざまなメーカーが商品として販売していますが、肌が弱いひとは不純物の刺激で頭皮が荒れてしまう可能性もあります。
トラブルを避けるためにも、品質が良く純度100%のソンバーユの使用をおすすめします。
馬油の保管のポイント
馬油(ソンバーユ)は酸化しやすいという性質をもっています。
変質した油は独特の臭いを発することがあるので、頭皮へは使用しないほうがいいでしょう。長期保存する場合は冷蔵庫での保管をおすすめします。
油なので暖かい場所に置いておくと、溶けたり分離してしたりするので注意。
その場合も冷蔵庫で冷せば固まります。
馬油が合わないひともいる
動物性油脂にアレルギーがあるひとは、馬油の使用によって頭皮が荒れてしまう可能性があります。
また頭皮の脂性肌や普通肌だと、油分が多すぎてかえってフケなどのトラブルが起きてしまうケースも。
動物性油脂にアレルギーがあるひとや、普通肌・脂性肌のひとは馬油の使用は避けたほうがいいでしょう。
女性用育毛剤もおすすめ!
「じゃあ何を使えばいいの?」といおうひとにおすすめしたいのが、女性の頭皮環境を考えてつくられた女性育毛剤。
植物エキスが主成分となった製品を選べば動物性油脂のアレルギーのひとでも大丈夫。肌への刺激も少ないので敏感肌の人でも使用が可能です。
さらに育毛剤に含まれる毛髪成分が、抜け毛予防や育毛をサポート!
頭皮へ刺激を与えずに髪が生えやすい環境へと導きます。
馬油が合わない場合や頭皮ケアに迷ったときは、ぜひチェックしてみてください。
おすすめの女性用育毛剤はどれ?
私が実際に試した5本の女性用育毛剤の特徴やおすすめポイント、使用感などをまとめた記事を書きましたので、女性用育毛剤を試してみたい方はまずこの記事をチェックしてください!
まとめ
馬油(ソンバーユ)は頭皮環境に合わせて使い分けよう!
保湿や血行促進作用をもつ馬油は、乾燥予防に最適です。
べたつきや臭いを気にするひともいますが、使い方や保管方法を間違えなければ心配ありません。
ただ馬油は頭皮の健康維持を目的としているため、育毛となるとちょっと物足りない面も。
自宅のケアで積極的な育毛を目指すなら、有効成分の配合された女性育毛剤を使用したほうがいいでしょう。
健やかな髪と頭皮をつくるには毎日のこまめなケアが欠かせません。
自分の目的や頭皮の状況に合わせて、一番効果的なものを選んでくださいね。